登場人物は猫:
最大の特徴は、広重の「東海道五十三次」に描かれた人々や馬などをすべて猫に置き換えている点です。
旅人、商人、大名行列、飛脚など、さまざまな役割を演じる猫たちの表情や仕草がコミカルに描かれています。
例えば、広重の絵では犬だったものがネズミになっていたり、笠に耳穴が開いていたりと、猫ならではの描写が随所に散りばめられています。

細部へのこだわりとユーモア:
単純に猫に置き換えるだけでなく、それぞれの絵に猫らしい細かな描写や工夫が凝らされています。
例えば、突風に飛ばされた笠を追いかける猫の尻尾が逆立っていたり、旅の途中のハプニングが猫の行動として表現されたりしています。

浮世絵の再現性:
広重の「東海道五十三次」の構図や風景が非常に高いレベルで再現されており、 オリジナルの浮世絵を知っている人ほど、そのパロディの面白さを深く味わうことができます。
各作品の背景には、当時の風俗や地理が猫の視点から描かれており、当時の旅の様子を想像させる要素も含まれています。

「CAT ART」シリーズの一環:
シュー・ヤマモトは、古今東西の有名絵画を猫のバージョンで描く「CAT ART」シリーズで知られており、 「猫街道三拾三次」もその人気シリーズの一つです。「モニャ・リザ」（モナ・リザ）や「ニャイ14世」（ルイ14世）など、ユニークな作品名や作家名も特徴です。

「猫街道三拾三次」は、猫好きはもちろん、浮世絵や美術に興味がある人にも楽しめる、遊び心と芸術性が融合した作品です。